ある状態が終わった時、終わったことではなく、それまで自分がその状態の中にいたんだということ自体に、その時はじめて気づく。後の祭りと言われればそれまでだけど、胸のあたりのもやもやした霧が、すうっと消えていく。私はただただじっとしているだけで、相手は中途半端なままで、でも私も相手も同時に、もうそれが終わったことを感じた。私はそこで同時にことの始まりに気づいただけで、少し順序が逆になっていただけ。順序が正しかったとしても、最後は何も変わらない。